「正社員派遣ってよく分からない…」
「正社員派遣はやめとけって聞いたけど、実際どうなの?」
「派遣なの?将来大丈夫?」
こんな疑問や不安を持つ方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、正社員派遣とは
「正社員並みの福利厚生」を享受しながら「派遣並みの業務負荷」で働ける勤務形態です。
ただし、メリットとデメリットがはっきり分かれるため、向いている人・向いていない人が極端に出ます。

私は現在、正社員派遣(技術系)として10年以上働いている当事者です。
日中は会社員をしながら浮いた時間で副業もしており、毎月10万は貯金できています。
その経験から、一般的な解説サイトには載っていない「リアルな実態」を本音でお伝えできます。
この記事を読めば、以下のことが分かります。
- 正社員派遣ってどんな働き方なの?
- 正社員派遣のメリット・デメリット(実体験ベース)
- 自分が正社員派遣に向いている?その判断基準
「正社員派遣はやめとけ」と言われる理由を理解し、自分に合った働き方を選ぶヒントになれば幸いです。
正社員派遣のデメリット
「正社員派遣」とは「派遣会社の正社員」として雇用され「派遣先企業で働く」働き方です。

ここでは一般的な説明は省き、私が10年以上経験して感じたメリット・デメリットを本音でお伝えしていきます!
正社員派遣のデメリットは以下の通りです。
- 派遣先の正社員とは扱いが違う
- 正社員に転職しにくい
- キャリアは自発的に築いていく必要がある
- 指示を出す正社員が無能な場合がある
- 他の派遣会社の社員からの嫌がらせがある
ひとつづつ、順番に解説していきます。
派遣先の正社員とは扱いが違う
- 参加できない会議、閲覧できない資料がある
- 派遣先の研修が受けられない、福利厚生が適用されない
- 派遣先の上司との面談がない
- 派遣先での昇格の機会がない
同じ業務をしていても「部外者扱い」される瞬間がはっきりあります。

私も「なぜ呼ばれなかったのだろう?」と思う会議が何度もありました。
閲覧できる資料にも制限がかけられているため、情報も断片的にしか得られません。
派遣先の上司との面談も正社員のみ対象の場合が多いため、派遣先での昇格の機会はほとんどありません。昇格やキャリアアップを目指したい人にとっては、物足りなさを感じることも多いです。
正社員に転職しにくい
一度「正社員派遣」になると、紹介予定派遣ではない限り、正社員登用はほぼ期待できません。
実際、私の周りでも「次の転職先も正社員派遣」という人が多いです。
転職活動をしても、転職エージェントから提示される求人はほとんどが正社員派遣になります。

私自身も転職活動をした時、エージェントから紹介されたのは正社員派遣の求人ばかりでした。
キャリアは自発的に築いていく必要がある
正社員派遣では、派遣元の研修制度が準備されています。
ただし、カリキュラムを組んでもらえるわけではないため、
学習計画は自分で立てて進めていかなければ、何も進みません。
この資格を取れ、と言われることもありません。
“待っていれば誰かが育ててくれる”という環境はありません。
正社員派遣として派遣先へ配属されると、初日から業務にとりかかります。
新卒とは異なり、研修期間がありません。
(未経験の場合は派遣元の研修期間がある場合が多いです)
派遣先の企業は、即戦力を求めて人材派遣を利用しています。
そのため、パソコンが使えないでは話になりません。
正社員も自分の業務で忙しいため、手取り足取り教えてもらえるわけではありません。
分からないことは自分から聞く、調べる姿勢が求められます。
指示を出す正社員が無能な場合がある
派遣先の企業にいる正社員の方は、いろんな人がいます。
全員が優秀でまともな人だったらいいのですが、残念ながらそうではない人もいますね〜(笑)
計画性のない社員から納期間際に仕事を振られ、納期の責任だけ取らされるケースもあります。
正社員派遣は立場が弱いため、そういった場面はストレスになります。
また、正社員が残業で疲弊している場合もあります。
他の派遣会社の社員からの嫌がらせがある
派遣会社は人材を紹介するとインセンティブがもらえることが多いようです。
そのため、人材の引き抜き合戦が影で行われることもあります。
派遣先での縄張り争いも見受けられます。

ただ、無視すれば自然と収まる場合が多いので、深く関わらないのが最善です。
正社員派遣のメリット
ここまで散々デメリットを挙げてきましたが、
「うわっ⋯正社員派遣ってやっぱりやめた方がいいのでは?」
と思ってページを閉じようと思った方、

ちょっと待ってください。
デメリットがあるところには、必ずメリットも存在します。
私は実際に10年以上働いてきて、以下のようなメリットを実感しています。
- 職場の人間関係で悩まなくなる
- 業務責任が限定されている
- 大企業の働きやすい環境を享受できる
- 派遣元の福利厚生や研修制度が充実している
- 派遣先のリスクから距離を置ける
それでは、一つずつ解説していきます。
職場の人間関係で悩まなくなる
職場の人間関係に疲れて辞めたい…そう思ったことはありませんか?
実際に調査でも、本音の退職理由のトップは「人間関係」です。
まずは、この表をご覧ください。

(出典:【調査】会社退職時、ホンネを言わず円満に…が4割!退職理由1位「職場の人間関係」を解決し、離職率が1/3以下に減少 施策は“インサイダーゲーム”会社説明会!)
私自身も、過去に正社員として働いていた頃は、飲み会や上司、同僚との感情的なやり取りで心身ともに疲れていました。
しかし正社員派遣では、派遣先と契約を結んで働くため、職場の人間関係に深く入り込む必要がありません。
社員旅行や社内イベントの強制参加もなく、飲み会に出る必要もありません。
出世競争や派閥争いはもちろん、女性同士の馴れ合いやプライベートまで踏み込んでくる関係性からも距離を置けます。

派遣正社員になってからは「お昼は別々に過ごす」「仕事が終わればすぐ帰る」が自然にでき、人間関係で消耗することがなくなりました♪
業務責任が限定されている
「評価面談や雑務で余計に疲れる…」と感じたことはありませんか?
正社員派遣は、その大きなストレスから解放されます。
例えば、正社員派遣には「安全衛生委員」や「飲み会の幹事」といった役割は回ってきません。
一方、正社員は業務が忙しい中でもそうした雑務をこなさなければならず、大変そうでした。
また、正社員派遣は派遣先の評価面談がなく、上司に詰められることもありません。
派遣元との面談は比較的ライトなので、精神的に追い込まれることはありませんでした。
その分、派遣先での昇格の機会はありませんが、逆に出世競争や昇進プレッシャーから解放され、残業も少なく健康を害さずに働けています。

正社員の方は残業を月40時間以上していますが、私の現在の残業時間は月10時間以下となっております♪
大企業の働きやすい環境を享受できる
正社員派遣になると、なかなか入社が難しい大企業で働くことができます。
大企業の特徴は、制度やインフラがしっかり整っていることです。
- 勤怠管理はシステム化、マニュアルも整備されている
- 在宅勤務は週1〜3回、フレックス制度も利用できる
- コンプライアンスが徹底されており、過度なパワハラや残業は規制されている
- 有給も毎月消化でき、上司に毎回お伺いを立てる必要はない
「派遣だからブラックな働き方になるのでは?」と不安に思うかもしれません。
ですが、実際には大企業の働きやすい環境を正社員と同じように利用できるのが、正社員派遣の大きなメリットなのです。
派遣元の福利厚生や研修制度が充実している
正社員派遣は「派遣だから福利厚生が薄いのでは?」と思われがちですが、
実際には派遣元のサポートが充実しています。
- 家賃補助や社宅制度で生活コストを下げられる
- 引越し費用を全額負担してもらえる
- 健康診断や交通費もしっかり支給される
- 研修制度や資格手当がある

私は家賃半額補助のおかげで毎月の家賃は25,000円(笑)
浮いた分を貯金や新NISAに回しているため、資産は毎年増えています。
「正社員並みの待遇を受けながら、派遣ならではの柔軟さもある」
これが正社員派遣の「守りの強さ」だと感じています。
派遣先のリスクから距離を置ける
今の時代、安泰な会社なんて存在しません。
10年後にはどうなっているか誰にも分からず、定年前に会社がなくなる可能性だってあります。
実際、派遣先で一緒に働いていた50代の正社員が「このまま会社がなくなったら…」と不安そうにしている姿を見たことがあります。
社内の噂話ばかりしていても、沈みゆく船から逃げられない…
正社員にはそんなリスクもあるのです。
一方で正社員派遣は、いざとなれば別の派遣先に移れるという安心感があります。
特に技術系は人手不足なので、実務経験があれば40代でも転職先は見つかりやすく、シニア層も活躍しています。
「会社にしがみつく」のではなく「自分のスキルで次を選べる」。
これも正社員派遣の大きなメリットだと感じています。
正社員派遣に向いていない人
正社員にもメリットはたくさんありますが、とはいっても
正社員派遣に向いていない人もいます。
以下の特徴に当てはまる方は、慎重に選んだ方がいいでしょう。
- 正社員の立場で社会的に安心したい人
- 出世したい人
- 会社に育ててほしい人
- マイホームを所有している人
順番に解説していきます。
正社員の立場で社会的に安心したい人
正社員という肩書きにこだわる人、周りに「派遣社員」と思われたくない人は、派遣という働き方に不安を感じやすいです。
協調性があり、周りとの調和を大事にする人、
「世間のみんなと同じ」で安心したい人には、正社員派遣は合わないかもしれません。
出世したい人
飲み会やイベントで盛り上げるのが得意で、将来は管理職を目指したい人。
上司からのプレッシャーやスケジュールに縛られても苦にならない人には、正社員派遣は物足りない働き方になります。
陽キャで体力のある人、自分の立場にこだわる人、スケジュールが打ち合わせで埋まっても苦にならない人には正社員がピッタリ合うでしょう。
会社に育ててほしい人
正社員であれば、研修カリキュラムやキャリアアップのレールも会社が用意してくれます。
副業する気がなく、社内で昇格していきたい人は正社員が向いています。
1社に定年まで長く勤めたい人には、派遣正社員は向いていないかもしれません。
マイホームを所有している人
マイホームを所有していると勤務地の変更が難しくなり、派遣先の選択肢も狭まります。
勤務地が変わると通勤時間も長くなってしまいます。
「場所に縛られない自由さ」を活かせなくなるので、この場合も正社員の方が安心です。
正社員派遣に向いている人
この特徴に当てはまる方は、正社員派遣がピッタリです。
世間の声を聞いて正社員になると、後々苦しむかもしれません。
- 社員旅行、飲み会、社内イベントと聞いて吐き気がする人
- 管理職になりたくない人
- 残業なしで副業したい人
- 引っ越しができる人
順番に解説していきます。
社員旅行、飲み会、社内イベントと聞いて吐き気がする人
勤務時間外に会社の人と関わりたくない、社内の噂話にも興味がない、という人には正社員派遣が向いています。
「週末のバーベキュー大会に参加できるのは社員さんだけです」と言われて、
「差別だ!」と怒る人は正社員向き。
「やった〜行かなくていいんだ、ラッキー♪」と喜ぶ人は、間違いなく正社員派遣向きです(笑)

私は後者ですごめんなさい
管理職になりたくない人
会社から休日に電話がかかってくると、スマホの画面を割りたくなる人。
上司と部下の間に挟まれるストレスに耐えられない人。
上司へのゴマすりスキルがない人。
評価面談で詰められるのが嫌な人。
静かな環境でもくもくと働きたい人は、正社員派遣であれば出世競争や社内派閥からも距離を置けます。
残業なしで副業したい人
「残業ゼロで副業に時間を回したい」
「体力的に長時間労働は無理」という人には最適です。
正社員派遣であれば、定時で帰れてエネルギーも残るので、副業や資格勉強にもしっかり取り組めます。

私はこれで簿記3級やFP2級を取得し、副業を始めました♪
引越しができる人
- 勤務地の変更に柔軟に対応できる人
- 地元を出たい人
- 地方から脱出したい人
正社員派遣なら、勤務地に縛られずに自分に合う働き方を選べます。
引越し代金も会社が出してくれるので安心です。
勤務地に近い社宅を探してくれるので、徒歩通勤も可能です。

私はこれで地元のド田舎から脱出できました♪
まとめ|正社員派遣は「守りと攻め」を両立できる、“戦略的な働き方”だ
正社員派遣は、使い方次第で最強のキャリア戦略になり得ます。
- 安定収入と健康維持で「守り」を固め
- 浮いたリソースを副業や資格勉強に注いで「攻め」に転じる
世間のイメージ「派遣=負け組」に縛られる必要はありません。
正社員派遣の安定収入と健康維持で守りを固める
正社員派遣に向いている人の特徴を読んで、「そんなの社会不適合者じゃない?」と思ったかもしれません。
でも、私は毎日出勤して税金を納め、心身を病まずに働いています。
正社員で無理をして精神疾患になったり、長期休職するより、ずっとマシだと感じています。

実際、精神的に追い込まれて休職していく正社員を何人も見てきました⋯
かつて私も地元中小企業の正社員として働いていました。
残業地獄、休日出勤、社員旅行、パワハラ、セクハラ…もううんざり!
体育会系で社会性がある人は、正社員が向いているかもしれません。
でも私はそうじゃなかった。だからこそ、正社員派遣を選びました。
浮いたリソースを副業や資格勉強に注いで攻めに入れる
所詮、正社員も定年の65歳で終わり。
定年後から個人事業を始めるのは、現実的に難しいケースが多いです。
でも、正社員派遣なら残業も少なく、浮いた時間と心の余裕を副業や勉強に回せます。
私もこの働き方を活かして、簿記・FPの資格を取り、副業を始めました。

「生活の不安がない状態で、自分の未来に投資できる」
これは、正社員派遣だからこそ可能な働き方です。
派遣先が合わなければ変えればいい。実務経験さえあれば40代でも困りません。
私は「世間にどう見られるか」よりも「自分がどう生きたいか」を優先しています。
だから今も、正社員派遣という働き方を選び続けています。
自分を大切にしながら働く方法は、きっと他にもある。
でも、正社員派遣はその一つとして、十分すぎるほど「戦える選択肢」です。
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